土地の形状や周辺環境を
熟知したうえで設計した家

整形地

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交差点角の整形地に建てた、
店舗も自宅も兼ねた家

BEFORE

施工前

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目につきやすい交差点角の整形地

住まいの一部を店舗として利用する場合、住居空間と店舗空間をどのようにデザインするかが設計のポイント。用途の異なるふたつの空間をひとつの家としてまとめるのも、注文住宅を手がける建築家の腕の見せどころです。
信号がある交差点の角に建てた、住居兼美容室のO様邸をご紹介します。

住居と美容室。相乗効果が生まれる空間をご提案!

人目につく土地に建つヘアサロンでありながら家族が住む家でもあるため、住居空間と店舗空間それぞれの機能を考慮しつつ、全体のつながりを持たせた店舗兼住宅を提案しました。
玄関と駐車場はヘアサロン専用と家族専用に分け、中に入ると家の中心になる土間リビングが双方をつなげる役目になることで、仕事もプライベートも楽しめる家になりました。
(ジューケン 一級建築士/吉川)

AFTER

施工後

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土間リビングが異なる空間をゆるやかにつなぐ

ーーご家族用の玄関から入ると、左手には奥様がされているヘアサロン、右手にキッチン、その奥がリビングですね。
靴はどこで脱ぐのですか?
土間の通路が玄関みたいなもので、靴はシューズクロークの辺りで脱いでください。
――靴を脱いで上がるための玄関とは違う新しい発想ですね。
はい、玄関からリビングまでがつながった「土間リビング」で、土間の通路部分が美容室と住居を区切る役割をしています。ジューケンさんの発想なんですよ。
――だから、リビングの床も土間と同じコンクリートなんですね。
コンクリートには凹凸をつけコーティング加工をしています。ジュースをこぼしてもシミにならないし掃除もしやすいですよ。
ーー土間リビングを提案された時、イメージできましたか。
店舗のある家にするには広い敷地が必要だと思い込んでいたし、サロンと住まいを分けたかったので1階がお店で2階が住居になるだろうと。ジューケンさんに相談すると、「土地は広くなくても大丈夫」「お店がある一階でも家族の空間はつくれる」と言われ、その場で吉川さんが図面をササッと描いてくれて…。
あれにはびっくりしたね。土間リビングなんて頭になかったけれど、図面を見てイメージできました。
しかも敷地40坪くらいでもいいんだ! お店と住まいを完全に分けなくても家族の空間ができるんだ! と価値観がガラッと変わりました。
ーーなるほど。しかも土間が直線ではなく曲線だから、川のようにも見えます。川を隔てて道路側がお店でその対面にキッチンがある。
土間の延長にリビングがあるというのは価値観が変わりますね。
そうなんです。土間のカーブに合わせて天井もアール(曲面)がついているのも気に入っています。曲線がコンクリートの印象を和らげている効果もありますね。
土間リビングがあるから、住まいとサロンが別空間でありながらつながりを感じます。土間とリビングがキッチンより低い位置にあり、天井も低いので穴蔵みたい。よりプライベートな感じがしますね。
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スキップフロアがDJブースになる

――階段の手すりや椅子の脚、ペンダントライト、壁かけ時計、フレームは黒で統一されてますね。
そうです。このフローリングの木目には黒いフレームが合うと思ったので。ポイントになるところは黒にしました。
――奥様はヘアサロンをされていて、ご主人の趣味はDJということですが、内装やインテリアを決めるときに揉めたりしませんでしたか。
ふたりの趣味が似ているので、何でも相談して「いいね!」と言いながらすんなり決まりました。
とにかく、ジューケンさんの提案がとても良かったのでインテリアも決めやすかったです。僕からジューケンさんには、スキップフロアにしてターンテーブルを置きたいとお願いしました。
――生活空間にDJブースを設けるのは難しそうだけれど、1階と2階の間の1.5階にあたるスキップフロアだから可能なんですね。
そうですね。2階は寝室に子ども部屋、お風呂や洗面所、洗濯物を干すベランダがありますが、スキップフロアがあることで、1階からは2階の生活感が見えないんです。備え付けのレコード棚も目隠しになっています。家を建て、ようやくヘアサロンをオープンさせたので、今度はDJブースを充実させたいですね。
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美容室も住まいも、人が集まり交流する場に

――ヘアサロンのガラスの格子も黒なんですね。
どうしても正方形の格子ガラスにしたくて。宮島に古今果というカフェがあり、そこが黒い格子のガラス戸だったので「これにしたい!」と写真に撮ってジューケンさんにお願いしました。
――ドレッサーの脚も飾り棚も照明も、住まいと同じように黒がポイントなんですね。ヘアアクセサリーも売っているんですか?
はい。細かい作業が好きなので趣味でつくっています。ヘアアクセサリーやピアスはスマホで撮影し、インスタグラムにアップしています。サロンや家の中もインスタに上げてますよ(笑)。
――この家ならインスタ映えしますね。
インスタにアップすることでお店の宣伝にもなっています。これからは子どもの用のヘアアクセもつくりたいですね。
――ヘアサロンであり、家族の住まいであり、レコードをかける場でもある。この家にはいろんな顔がありますね。
「ROOT(ルート)」という店名は、根っこという意味です。僕たちが育った大竹に根を張って地元の人と交流していきたいという思いを込めました。妻がアクセサリーを自作しているように、服や雑貨をつくる人たちとここでマーケットが開けたらいいなと考えています。
サロンにある棚は主人の弟がつくってくれたんですよ。趣味でものづくりをしている人とコラボもするのもいいですね。
――家そのものがおもしろいので、ここから新しいコラボが生まれそうですね。
はい。主人は会社勤めをしているのに、サロンや子守などとても協力的です。私と同じ方向を見ていることもあり、積極的に手伝ってくれます。主人でなかったら店を持つことはできなかったし、仕事も家事も子育ても今まで以上に楽しくなりました。
家を建てる前段階から大変なこともありましたが、それも含めて全てが楽しいと言えます。妻が何をするにも楽しそうで、その姿を見るのがうれしいですね。子どもがお母さんの働く姿をそばで見ることができるのも良いことだと思います。
ーー18年後の成人式には娘さんのヘアメイクと着付けをこの家で奥様がされるのですね。
それを楽しみにしています。まずは来年の七五三ですね。
かっこいい家が形になって、住み心地もいいし、家に帰るのも楽しみになったし。今はとても幸せです。
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Data:大竹市 O様邸
家族構成
夫婦+子ども一人
敷地面積
163.17㎡(49.35坪)
建物面積
114.26㎡(34.56坪)
竣工
2017年3月12日
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