JOURNAL
密集地の家 01
住宅が集まり、すぐ横に
隣家が迫った敷地
密集地の家 ボルタリングのある家
一軒家の多い静かな密集地、
めったに空きの出ない人気の土地
大きな通りから少し入った住宅密集地。治安や住環境のいい土地はすぐに売れてしまうくらい人気があります。なかなか土地が見つからなかったN様ですが、そのぶん新居への夢をじっくり膨らませました。
土地探しからジューケンが請け負い、密集地に家を建てたN様邸をご紹介します。
密集地でもカーテンレスを実現、
ポイントは「抜け」の活かし方!
お隣さんもお向かいさんとも距離がとても近い場合、周囲の目線を避けるには、空をどう取り入れるかかが重要であり、そこが腕の見せ所でした。立体的な空間の先にある窓の配置により、光と風を感じることができ、さらにカーテンレスも実現しました。
(ジューケン 一級建築士/吉川)
家の壁でボルタリングを
可能にした広い土間
土地購入から完成までどのくらいの時間がかかったのですか。
土地探しからジューケンさんに相談していて建てるまでに2年くらいかかりました。私の実家から徒歩で行き来できる範囲を希望しており、始めから地域は限定していました。
ちょうど僕が海外出張中に、実家に近い土地が急に見つかって。この辺はなかなか土地が空かないし、空いてもすぐ買い手が見つかったり、メーカーが建売を建ててしまうんです。
施工開始まで一年くらい時間を要する土地でしたが、これを逃したら当分見つかりそうになかったので、まずは土地を購入してもらって一年かけて設計しました。
やはり気になってしょうがないのは、ボルタリングのある壁なんですが。
夫婦の趣味がクライミングなんです。はじめはマンションや建売も検討したんですが、家で練習をしたかったので(笑)。私たちがやりたいことができる家を建ててくれるジューケンさんにしようと。
雨が降ってもトレーニングができるし、子どもも遊べるのがいいと思って。ジューケンさんのサイトを見ていて、中庭のある家や土間の広い家、カーテンレスの家がいいなと気になってました。
もう、カーテンの開け閉めが面倒で。図面をGCでも見せてもらい、隣の家の窓から中が見えないようにするには?といったシュミレーションをした結果、窓の位置や大きさを工夫した明るい家になりました。夕方には西日が入ってきて、夜にはお月様が見えるんです。
隣と目線が合わずに光を取り入れるためにハイサイドライトを入れ、外の気配や音を感じにくく、家族の空間が広がるように設計しました。三方が隣の家という縛りはあるけれど、密集地はけっこう得意なんです(笑)。
しかし、ボルタリングの壁を設置したいって言われて面食らったんじゃないですか?
いえ、おもしろいなぁと思いました。お二人が通われているジムに行き、僕も登ってみてから設計しました。
インテリアとして取り入れる家もあるんですけど、ここまでガチなのはあまりないと思います(笑)。
キッチンもパントリーもストレスフリー
アイランドキッチンのシンクは、三方向から使えるんですね。こんなの初めてです。
はい、シンクの位置がポイントです。帰ってきて手を洗うときは玄関側から、お客さんが使う時は幅の広い方、調理中は内側から水が出せます。コンパクトだけど作業場を広くしたくて、松岡製作所のオーダーキッチンにしました。天板はステンレスで、あとは無垢板だからリビングになじんでいます。
パントリーに戸がない! 隠さないんですか。
はじめから戸はつけたくなかったんです。お客さんの視界に入らない位置だし、目隠しをつけなかったのはズボラさんの私には大正解でした。以前は収納することで隠していましたが、物を置かず増やさないように心がけています。片付けや掃除のストレスはずいぶん減りました。すべて意味がある設計をしてもらったおかげです。
それぞれ配置や動線には意味があるんです。それがN様の要望に応えることになるので。
本当に家事がラクになりました。以前はキッチンも狭かったので二人で並ぶことはなかったんですが、今はストレスなく並んでます。
物が少なくてすっきりしているから、照明やソファ、テーブルなどインテリアが映えますね。
テーブルは僕の出身地佐賀県の家具屋のもので、新居にはこのテーブルだと決めてました。それに合わせた照明にしてレールを設置する位置も吉川さんに相談しました。
ルイスポールセンの照明を買われたので、家のアクセントになるよう全体のバランスも考えました。
ソファの後ろの壁は、倉敷にあるTEORIのソファのサイズに合わせてもらったので、ぴったり納まっています。ソファとテーブルはこれを買おうと思っていたので、設計前から吉川さんに伝えました。
土地の購入から施工に入るまでの一年間に、夢を膨らませて、どんどん大きくしていきました(笑)。リビングの照明も手すりの色も大好きな北欧カラーにしました。そして器も北欧カラーのような波佐見焼にしたんです。
二階は家族だけの生活空間だから、
お風呂は上に
二階は主寝室と子ども部屋、書斎もあってお風呂にトイレ……。
え、お風呂とトイレを仕切ってない!
二階は家族しか使わないスペースですし、お風呂と脱衣所とトイレをひとつにしました。掃除がとてもラクだし正解でした。
お風呂とトイレがひとつの空間にあるのはホテルに多いですよね。同じ空間ですが、仕切らないことで広く使うことができます。お風呂が二階にあってもコストはさほど変わりません。
洗濯したらサンルームにもなる書斎に干して、乾いたら主寝室のクロークへ。動線がスムーズなのでラクですよ。クロークにも扉はありません。少しでも省ける動作をなくすことが、ズボラさんには助かるんです。
妻の友達が来た時は僕が子どもを二階のお風呂に入れて、そのまま寝かしつけます。お客さんも僕たちも遠慮しないですみます。
スノコ廊下を歩いていると、足裏に心地いい刺激がありますね。スノコにボルタリング、そして土間の壁にテレビを設置しているのもびっくりです。
リビングとテレビの距離感を活かしたかったのと、そもそもユニークな家なのでこれもありかなと。
提案されたときは、えっここに!とびっくりしました。しかし、テーブルからでもソファからでも見ることができます。娘はリビングに腰かけて土間に足をつけてテレビを見ています。
突飛な提案は却下になることが多いんですが、N様は受け入れてくれましたね(笑)。もともとセンスがいい方でよかったです。
一見贅沢な空間かもしれませんが、これが私たちの日常です。デザインも機能も兼ね備えた家には、コンセントの位置や動線といった些細なストレスがありません。家が家族にフィットして、すっかりなじんでいます。暮らしているうちに私たちの家になったのかもしれませんね。
Data:広島市中区N様邸
- 家族構成
- 夫婦+子ども一人
- 敷地面積
- 114.91㎡(34.76坪)
- 建物面積
- 104.79㎡(31.69坪)
- 竣工
- 2019年04月14日
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