JOURNAL

変形地の家 変形地の家 05

吹き抜けの窓から
松の木が見守る家

変形地の家 × 音楽室のある家

BEFORE 施工前

実家の奥にある庭

広島市のベッドタウンとして人口が急増し、幹線道路や幹線鉄道も通っており大型ショッピングモールもある町。ご夫婦とも生まれ育った町に建つS様邸は、もともとはご主人の実家の庭でした。
複数の住宅メーカーから「建築不可能」と言われた庭に、意外な角度から踏み込んだジューケン。それを受け止められたS様。先祖代々の土地を受け継ぎながら、家族の成長を見守る家になりました。

「建築不可能」を可能にするジューケン

母屋と庭を合わせて約120坪あるS様の実家。庭に戸建てを建てるのがご希望でしたが、複数のメーカーから「離れ」や「二世帯住宅」なら可能だが戸建ては難しいと言われ、家づくりは難航していました。
その理由は、道路から入る通路の幅が狭いから。建築基準法第43条に「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない」とあります。2mをどう確保するか? 家を建てる以前の課題を解決するところからのスタートでした。
(ジューケン 一級建築士/吉川)

AFTER 施工後

庭に戸建てを建てるために
母屋を削る!? 仰天のアイデア

ーーここは戸建てやマンションが多い地域ですね。

吉川

Sさんの敷地は変形地になりますが、もっと言うと奥地であり密集地です。

ーー「戸建て建築不可能」と複数のメーカーに言われるくらい難しい敷地なのですか?

実家の庭に建てるとなると、接道が2mないから戸建ては無理だと。「離れ」や「二世帯住宅」なら可能ですと言われました。

ーー「接道」ってどういうことですか?

吉川

建築基準法で定められている「接道義務」があり、奥地に建てる場合でも、道路に面する通路の間口が2m以上必要です。Sさんの場合、実家から入る通路が2m以下だったので戸建ては無理。だから「離れ」や「二世帯住宅」なら可能ということです。

離れ」や「二世帯住宅」となるとお風呂やキッチンは共用かぁと言いながら出産もあったので中断し、仕切り直してジューケンさんに相談しました。ピアノ教室の生徒さんやベビーマッサージの先生のお宅はジューケンさんで建てられていて、とてもよかったので。

ーー戸建てを諦めなかったんですね。どうやって接道を2mまで広げたのですか?

吉川

ご実家の通路側にある和室を削ると、ちょうど2m確保できるという一筋の光が見えました!

ーーまさかご実家に手をつけるとは!

簡単に言うと「実家を削ればいいじゃん」なんですが、複数のメーカーはここまで踏み込んだ提案はしなかったですね。

吉川

先祖代々の土地を大切にされている厳格なご両親にも理解していただけました。

実家は築40年近く経っており、母が秘めていた「リフォームしたい熱」が後押しとなって父も了承してくれました。

ーー庭を宅地にして新築を、さらに実家のリフォームも。案件が二つになったんですね。

吉川

予定外でびっくりです。設計は同時進行で施工は別々で進めました。日本家屋のリフォームが得意なスタッフもいるので、新築もリフォームもお任せください!

リフォーム後は夏も冬も快適に過ごせると両親は喜んでいます。特に冬のヒートショックを心配していましたが、部屋全体が暖かいので不安が減りました。

S家を見守る松を生かした
吹き抜け窓の効果

ーー接道という大きな課題を解決して、いよいよ設計へ。スムーズに進みましたか?

トントン拍子とはいかず、打ち合わせに入った瞬間から妻が……。

ハハハ(笑)。こだわりはたくさんあるんですが決断力がなくて。

僕の唯一の要望はバーカウンターでした!

初めの設計図もよかったんですが、ふと実家の庭にある松の木を借景できないかとお伝えしたらガラッと変更された設計図を出されたんです。

ーーご主人が子どもの頃から見ていた松を、奥様が生かしたいと思われたんですね。

吉川

「松を生かしたい」、この一言があってのデザインです!一からプランを考え直しました。いい意味でチャンスだと捉え、より高レベルで新しい案ができました。

ーー立派な松がシンボルツリーとなって、吹き抜けの窓から見守っていますね。

吉川

まさにS家のご神木です。家の裏にあった松が日の目を見ることで力をくれると思います。

眺めているとリラックスできますよ。

ーー松を眺める家だから、松岡製作所のフルオーダーキッチンや天井の木目、造作のバーカウンター、木のテーブルや椅子と調和していますね。

木や木目が好きなんです。

川原

計画設計は吉川で、実施設計は私が担当して現場監督や業者さんと細かいやりとりをしました。木に関連づけて、玄関とリビングを仕切る引き戸の格子を木にして格子の太さや素材違い、ピッチの幅などいろんなパターンを考えました。

吉川

吹き抜けの大きなFIX窓から見える古い松は本物の風格があるから、坪庭や木の格子、中庭など全体が格上げされた家になりました。

防音の音楽室と
プライベート空間をつなぐ中庭

ーー奥様がピアノとクラリネットを自宅で教えるために音楽室を作られたんですね。

吉川

防音仕様の音楽室(6.5帖)とLDK(20.5帖)の間に中庭(3.7帖)を配置することで、仕事と家族空間の切り分けができるようにしました。

ーーレッスン中、音が漏れたりしませんか?

少し聞こえますが全く気になりません。子どもはリビングで爆睡しますよ(笑)。

音楽室では最大5人でレッスンできる広さです。生徒用と家族用で玄関を分け、洗面台とトイレは共用にしました。引き戸を閉めれば空間を仕切れるので、トイレを2つ設置しなくて正解でした。

ーー中庭があることで仕事と家族の空間に程よい距離ができていますね。

音楽室とリビングの中庭に面した窓を開ければシームレスになり、食事も演奏も楽しむことができます。

ーーライブができるんですね!

お盆には親戚が集まるのでコンサートを開こうか!

お盆には親戚が集まるのでコンサートを開こうか!

ーー夢がありますね。次は吹き抜けから見える2階を見せてください。

2階は寝室(6.4帖)と子ども部屋(2.9帖+4.4帖)、トイレ、通路はサンルーム(4.1帖)になっています。

川原

寝室の一部を木の格子にし、吹き抜けでもあるから開放的です。1階のLDKと寝室が近く感じますよ。

吉川

お子さんの気配が感じられるようにと要望があり、寝室に格子を取り入れてLDKとつながる空間にしました。

川原

和の要素を取り入れたかっこいい木の使い方ができました。2階からも松が見守っているんですよ。

私がキッチンにいても、2階で寝ている子どもが起きると下から声をかけることができます。すると格子越しに「降りるー」と答えます。

飲んで帰ってきたら、下から2階の寝室に向かって「ただいま」と言います(笑)。

ジューケンさんの見学会でいろいろな家を拝見するうちに「これが好き!」 と夢が具体的になっていきました。気に入っているのが玄関で、アーチの上り框の下に靴を隠せるんです。それに玄関の横がキッチンで、宅配の荷物が来ても靴を履かずにキッチンで受け取ることができてラクですよ。

何より嬉しいのは、断熱と遮熱です! 太陽光なので初期費用はかかっていますが、賃貸より電気代が1000円~2000円安くなり、ランニングコストを抑えることができています。

吉川

Sさんご夫婦もご両親にも喜んでもらえる家になりました。

Data:安芸郡府中町S様邸

家族構成
夫婦+子ども1人
敷地面積
145.50㎡(44.01坪)
建物面積
113.95㎡(34.46坪)
竣工
2024年9月6日

「変形地の家」の施工事例

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